妖狐鯖ではPHP 7.3が標準使用となっており、その関係でこれまでownCroud 10.1を動かすのにFastCGI(PHP-FPM)を使っていた(*1)のですが、バージョン10.3でPHP 7.3に正式対応したため入れ換えることになりました。
その際の手動更新手順を備忘録として残します。
*1: PHP-FPMを使うことで標準とは異なるバージョンのPHPを利用できるようになる。
ただし、モジュール版と比べるとパフォーマンスが若干落ちる
1.インストールするownCloudを用意する
ダウンロードページにあるtarbollを/tmp等の場所へ適当に(σ・∀・)σゲッツ! し展開する。
# cd /tmp
# curl -LO "https://download.owncloud.org/community/owncloud-10.3.1.tar.bz2"
# tar xvf owncloud-10.3.1.tar.bz2
展開後、所有者およびパーミッションを変更する。
# chmod -R o-rwx owncloud
# chown -R apache. owncloud
2.ownCloudをメンテナンスモードにする
更新作業中にアクセスされることを防ぐため、メンテナンスモードに移行させる。
# cd /var/www/owncloud
# sudo -u apache ./occ maintenance:mode --on
※PHP-FPMを使っている場合はoccコマンドの前に対象バージョンのphpコマンド(php72等)を追加する
3.ownCloudのディレクトリを入れ換える
旧バージョンと新バージョンのディレクトリをリネームで入れ換える
# cd /var/www
# mv owncloud owncloud_old
# mv /tmp/owncloud .
設定ファイルおよび保持しているデータを旧バージョンのディレクトリからコピーする
# cd /var/www/owncloud
# cp -p /var/www/owncloud_old/config/config.php ./config/.
# cp -pr /var/www/owncloud_old/data .
4.アップグレード処理の実行
ownCloudのデータをアップグレードさせる。
# cd /var/www/owncloud
# sudo -u apache ./occ upgrade
Update successful と出力されればOK。
5.メンテナンスモードの解除
# sudo -u apache ./occ maintenance:mode --off
このあと、ownCloudのディレクトリに設定したPHP-FPM設定を解除し、httpdを再起動することでモジュール版PHP環境に戻す。
(セキュリティ上の穴となるので、不要であればPHP-FPMのサービスを停止しておくことも忘れない)